公開日:
最終更新日:
雨漏り診断士・雨漏り鑑定士とは?金沢で業者の資格をどう見るか
業者を選ぶときに「資格があるか」を見てください、とよく言われます。ただ、雨漏りまわりの資格は名前が似たものが多く、何がどう違うのか分かりにくい。
私自身、雨漏り鑑定士の資格を持っています。持っている側として、この資格が意味することと、意味しないことを正直に書いておきます。判断の軸として使っていただければと思います。
軸その一|国家資格と民間資格を分けて見る
まず、大きく二つに分かれます。
国家資格は、法律に基づいて国が定めたものです。建築板金技能士、建築施工管理技士、建築士、防水施工技能士などがこれにあたります。試験の内容も難易度も一定で、名乗るには合格が必要です。
民間資格は、団体が独自に認定するものです。雨漏り診断士、雨漏り鑑定士、外装劣化診断士などがこちらです。団体ごとに講習と試験があり、更新が必要なものもあります。
どちらが上ということではなく、証明している内容が違うと考えてください。国家資格は施工の技能や現場管理の能力を、雨漏り系の民間資格は原因を見立てる知識を主に証明しています。
軸その二|雨漏り診断士と雨漏り鑑定士の違い
名前がよく似ているので、混同されます。
雨漏り診断士は、NPO法人雨漏り診断士協会が認定するものです。建築の防水と雨仕舞いの知識を問う試験があり、合格後に登録します。人数としてはこちらのほうが多く、屋根や防水の業者で持っている人をよく見かけます。
雨漏り鑑定士は、一般社団法人雨漏り鑑定士協会が認定するものです。原因の鑑定と、その結果を書面で示すことに重きが置かれています。
どちらも、雨漏りの原因を構造から考える訓練を受けた人だという証明にはなります。ただし、資格を持っているから必ず原因を突き止められる、という話ではありません。ここは正直に申し上げます。
軸その三|資格が保証しないこと
資格が証明するのは知識であって、その人が現場でどう動くかではありません。
散水試験を面倒がらずにやるか。屋根に上がる前に天井裏を見るか。分からないときに分からないと言えるか。こうしたことは、資格の有無とは別のところにあります。
私が現場で大事だと思っているのは、原因の説明が具体的かどうかです。「経年劣化ですね」で終わる説明と、「この谷板金の継ぎ目に穴があいていて、ここに水をかけると十分後に室内に出ます」という説明では、話がまるで違う。後者を言える人が、その資格を実際に使っている人だと思います。
逆に言えば、資格がなくても腕のいい職人はいくらでもいます。金沢の屋根屋には、資格の名前を並べずに、三十年同じ地域で仕事を続けている親方がいます。地元での評判のほうが、資格より確かな判断材料になることもある。
軸その四|施工の資格も一緒に見る
原因を見立てる資格と、直す資格は別です。
雨漏りの原因が板金にあるなら、直すのは板金の技能を持った職人です。建築板金技能士の一級は、実技試験で金属を加工して形にする能力を問われます。谷板金や棟板金を現場の寸法に合わせて作る仕事なので、この技能が仕上がりに直結します。
防水層が原因なら、防水施工技能士。屋根の全面改修のような規模なら、建築施工管理技士がいるかどうかで工程管理の質が変わります。
私たちおうち修理の窓口には、一級建築板金技能士を持った職長がいます。私が原因を見立てて、その職長が形にする。この役割分担で回しています。会社として何を持っているかを聞いたときに、こういう答えが返ってくるかどうかを見てみてください。
軸その五|資格より先に確認したい三つ
資格の話をしておいて何ですが、私が施主の立場なら、その前にこの三つを聞くと思います。
ひとつ、建設業許可を持っているか。工事一件の請負金額が五百万円以上になる工事には、建設業許可が必要です。金額の小さい工事だけなら許可がなくてもできますが、許可があるということは、経営の年数と財産的基礎の要件を満たしているという意味になります。
ふたつ、賠償責任保険に入っているか。工事中に足場から工具を落として車を傷つけた、隣家の窓を割った。こうしたときに保険で対応できるかどうかは、施主にとって直接関わる話です。
三つ、この地域でどれくらいやっているか。金沢の雪と風を知らずに雨仕舞いを設計すると、太平洋側の常識で納めてしまいます。地元で長く続いているというのは、それだけでひとつの資格のようなものだと考えています。
私が鑑定士を取った理由
最後に、少し個人的な話をします。
屋根と雨漏りの修理で十年、現場に立ってきました。そのなかで、原因を取り違えて直せなかった現場が、正直なところ何件かあります。屋根を直したのに止まらず、あとから外壁だったと分かる。お客様に二度手間をかけさせた経験が、私にはあります。
雨漏りは、屋根屋の常識だけで解けないことがある。建物全体の水の流れとして考えないといけない。それを体系立てて学び直したくて、鑑定士の勉強をしました。
だから、資格を看板にするつもりはありません。ただ、この資格を取ろうと思う程度には、雨漏りの原因特定に手こずってきた人間だとは思っていただいていいと思います。結局のところ、業者選びで見るべきは肩書ではなく、原因をどう説明するかです。そこだけは、お客様の側でも判断できます。
合わせて読んでおきたい記事
雨漏り修理をどこに頼むかは、こちらにまとめました。
金沢で雨漏り修理をどこに頼む?業者選びで失敗しないための確認ポイント
業者選びで見るところは、こちらをご覧ください。
雨漏り診断では何をする?目視点検・散水試験・見積もりの流れ
診断で何をするかは、こちらに書いています。
雨漏り修理の相見積もりは何社取る?金沢で比べるときの正しい揃え方
原因を絞り込んで直した瓦屋根の事例です。
【石川県金沢市】瓦屋根 雨漏り修理 Y様邸
診断についてのご相談
原因をどう説明するかで、その業者の見立ての深さは分かります。金沢市と近郊で、散水試験の結果と原因の根拠をお見せしたうえで工事のご提案をしています。まずは見てもらいたい、という段階のご連絡で構いません。調査の中身については雨漏り診断のご案内をご覧いただくと分かりやすいと思います。