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屋根と外壁の取り合いから雨漏りする理由|雨押え板金という弱点
雨漏りの原因を探していて、屋根の上にも外壁にもこれといった傷みが見当たらない。それでも二階の壁沿いや一階の天井が濡れる。そういうとき、私が真っ先に確認するのが「取り合い」です。
取り合いというのは、屋根と壁がぶつかっている部分のことです。一階部分の屋根(下屋)が二階の外壁に突き当たっているところ、あるいは階段状になった屋根の側面が壁に接しているところ。ここは雨漏りの発生源として非常に多い場所でありながら、下から見上げても状態が分かりません。
結論から言うと、取り合いの雨漏りは屋根材の問題ではなく、雨押え板金という部材とその上端の処理で決まります。
目次
雨押え板金がやっている仕事
下屋の屋根面を流れてきた水は、壁にぶつかったところで行き場を失います。そのままだと壁の下端から中に入ってしまうので、屋根面から壁へ立ち上げる形で金属板を被せる。これが雨押え板金です。
大事なのは、この板金が壁の中にどう納まっているかです。新築のときは、外壁材を張る前に板金の立ち上がりを差し込み、その上から壁を被せます。板金の上端が壁の内側に入り込んでいるので、壁を伝って落ちてきた水も板金の表を流れて屋根に戻る。この納まりであれば、そう簡単には漏りません。
ところが、後から屋根を葺き替えたり、部分補修をしたときに、壁をめくらずに板金を後付けすることがあります。すると板金の上端が壁の表に出たままになるので、そこをシーリングで塞ぐしかない。このシーリングが、十年前後で切れます。
金沢の家で取り合いが傷みやすい理由
金沢では特に、この部分に雪が味方しません。
下屋の屋根に積もった雪は、壁際に寄ったまま最後まで残ります。屋根の真ん中は日が当たって解けても、壁のきわは日陰になって解けにくい。つまり雨押えの立ち上がりだけが、冬のあいだ何週間も雪と水に浸かった状態になります。
さらに、解けかけた雪が夜に凍って膨らむと、板金と壁のわずかな隙間を押し広げます。これが毎年繰り返されるので、シーリングの寿命は平地の想定より短くなります。私の感覚では、金沢の下屋の取り合いは十年を過ぎたら一度は見ておくべき場所です。
症状の出方には特徴がある
取り合いからの雨漏りは、症状の出る位置に癖があります。
まず、下屋の真上にあたる二階の部屋ではなく、下屋の真下にあたる一階の天井や壁に出ます。水が壁の中を下りていくからです。玄関の上に下屋があるお宅なら玄関の天井、和室の上なら和室の長押のあたり、といった具合です。
次に、雨量よりも雨の続いた時間に反応します。短い夕立では出ないのに、一日中降った日の夜になって出てくる。壁の中をゆっくり伝って落ちてくるぶん、時間差があるわけです。
もうひとつ、雪解けの時期に集中するのも特徴です。金沢で二月後半から三月に雨漏りの相談が増える理由のひとつが、この取り合いです。
ご自身で確認できるのは、雪解けのあとの二週間
取り合いは屋根に上がらないと状態が見えませんが、症状のほうから手がかりを拾うことはできます。
一番分かりやすいのが、雪が完全に解けてから二週間ほどの期間です。この時期に一階の天井や壁のきわを見て回ってください。冬のあいだ壁の中に入った水が乾ききる前に、シミとして表に出てきます。乾いてしまうと薄くなって見えなくなるので、四月に入ってからでは遅いことがあります。
見るべきなのは、二階の外壁の真下にあたる一階の天井の端です。下屋がある側の部屋、と言い換えてもいい。壁紙の継ぎ目が浮いていないか、天井の廻り縁に沿って色が変わっていないか。手で触ってひんやりするなら、まだ水気が残っています。
外からは、下屋の屋根と壁が接している線を地面から見上げてください。板金の上に黒い筋が縦に走っていたら、そこを水が繰り返し流れています。壁がサイディングなら、取り合いのすぐ上のあたりだけ色が濃くなっていないかも見どころです。
直し方と、やってはいけない直し方
本来の直し方は、雨押え板金を外して、新しい板金に交換し、上端を適切に処理し直すことです。外壁材の種類によっては、壁の下端を少しめくって板金を差し込み直せることもあります。費用は範囲によりますが、下屋一面で十万円台から二十万円台が目安です。屋根材を一部外す必要があるので、瓦なら瓦をめくって復旧する手間が加わります。
やってはいけないのは、既存のシーリングの上から新しいシーリングを盛るだけの処置です。下地が切れているところに重ねても、数年でまた同じところが割れます。しかも表面がきれいになるぶん、次に見る人が「ここは処理済み」と判断して見落とす。私たちが再発の相談を受ける現場で、けっこうな割合でこれが出てきます。
金沢市額の築26年の二階建てで、一階和室の天井が雨のたびに濡れるというお宅を見たことがあります。三年ほど前に別の会社でコーキングをしてもらったが止まらない、と。下屋に上がってみると、雨押えの上端に厚くシーリングが盛られていて、その内側で板金の裏に水が回っていました。板金を交換して壁側の水切りを入れ直し、二十二万円ほどで収まりました。三年分の下地の傷みが少なかったのが救いでした。
正直なところ、取り合いは見た目で判断できない場所です。屋根に上がれる業者に、板金の上端がどう納まっているかまで見てもらってください。そこまで見ずに出てきた見積もりは、材料と手間の想定がずれている可能性があります。
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下屋のある家で一階の天井が濡れるなら、取り合いを見てもらってください。私たちは金沢市を拠点に、板金の納まりまで見たうえで見積もりをお出ししています。屋根に上がって、上端がどう処理されているかを確認するところからです。実際にどんな順序で見ていくかは、散水試験による雨漏り診断にまとめています。