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雨漏りで漏電・火災は起きる?金沢の現場で見た危ないケース
雨漏りのご相談で、私が電話口で真っ先に確認することがあります。「照明器具から水が落ちていませんか」「ブレーカーは落ちていませんか」の二つです。
雨漏りは建物を傷める話だと思われがちですが、水が電気に触れると別の危険が出てきます。ここは屋根屋の専門から少し外れる部分もありますが、現場で実際に見てきたことなので、正直にお伝えしておきたいと思います。
先に結論|この状態なら屋根屋より先にブレーカーです
次のいずれかに当てはまるなら、修理の相談より先に、その回路のブレーカーを落としてください。
- 天井の照明器具やダウンライトから水が垂れている、器具の中に水が溜まって見える
- コンセントやスイッチのまわりが濡れている、変色している
- 雨の日にだけブレーカーが落ちる、または落ちたことがある
- 分電盤(ブレーカーの箱)の中や周囲が湿っている
- 濡れている壁や天井の近くで、焦げたような臭いがする
雨の日にだけブレーカーが落ちるのは、漏電が起きている典型的なサインです。漏電遮断器が仕事をして電気を止めてくれている状態なので、遮断器が働いているうちはまだ安全側にいます。危ないのは、遮断器が古くて働かない場合です。
なぜ雨漏りで火災が起きうるのか
天井裏には、照明やコンセントへ向かう電線が這っています。雨漏りの水はまず天井裏に落ちますから、この電線の上に水がかかることになります。
電線の被覆が健全なら、すぐに事故になるわけではありません。問題はふたつあって、ひとつは接続部です。天井裏では電線どうしがコネクタや圧着端子でつながれています。その接続部に水が入ると、そこで漏電が起きます。
もうひとつが、トラッキングと呼ばれる現象です。ほこりの積もったコンセントやプラグのすき間に水分が入ると、そこに微弱な電流が流れ続ける。時間をかけてほこりが炭化していき、最後に発火します。天井裏はほこりが多いので、条件が揃いやすい場所です。
私自身、火災の現場に立ち会ったことはありません。ただ、天井裏で電線の接続部が黒く焦げていた現場は見ています。あと少し遅ければどうなっていたか、と思う状態でした。
金沢市長坂の築34年、ダウンライトから水が落ちていた例
一昨年の秋、金沢市長坂のお客様から「リビングの照明が点いたり消えたりする」というご連絡をいただきました。電気の不具合だと思われていたそうです。
伺うと、ダウンライトの枠の内側にうっすら水滴が付いていました。天井裏に上がると、ちょうどその真上に雨漏りの水が落ちていて、電線の接続部が濡れていました。屋根側の原因は、谷板金の穴でした。
このときは、まずその回路のブレーカーを落としていただき、電気工事店に配線と器具の交換をお願いしました。そのうえで、こちらは谷板金の交換に入りました。屋根工事は十六万円ほど、電気側は別途で数万円だったと伺っています。
順序としては、電気を止める、水を止める、乾かす、器具を直す。この順です。天井裏が濡れたまま照明を交換しても、また同じことになります。
屋根屋にできること、できないこと
正直に線を引いておきます。私たちがやれるのは、水の入口を止めることと、天井裏の状態を見て「ここに水が来ています」とお伝えすることまでです。
配線の交換、器具の取り替え、漏電の調査は電気工事士の仕事です。資格がなければ触れません。だから、電気の症状が出ている雨漏りでは、電気工事店と屋根屋の両方が入ることになります。
このとき、屋根屋と電気屋がばらばらに動くと、お互いに「相手の工事待ち」で止まってしまいます。私たちが対応した中では、こちらから電気工事店に連絡を取り、同じ日に見てもらう段取りを組むほうがはるかに早く片付きました。ご相談のときに、電気の症状も一緒に伝えていただければ、こちらで段取りを組みます。
電気を止めたあと、水が止まるまでにできること
ブレーカーを落とすと、その回路の照明もコンセントも使えなくなります。生活に支障が出るので、屋根の工事まで何日もかかる場合はどうするか、という話になります。
まず、落とすのは家全体ではなく、濡れている場所の回路だけで足ります。分電盤の子ブレーカーには、たいてい「二階洋室」「台所」といった表示が付いています。どれが該当するか分からないときは、一つずつ落として確認してください。
そのうえで、水が落ちてくる位置に容器を置き、天井裏に上がれるなら、水の落ちている場所の下にバケツと養生シートを置きます。天井の石膏ボードが水を含んで垂れ下がっているときは、無理に触らないでください。落ちてくると重さがあります。
濡れた部屋は、窓を開けて風を通し、除湿機か扇風機で乾かします。金沢の梅雨時や冬は湿度が高く自然乾燥が進みにくいので、機械を使ったほうが確実です。乾かないまま放置すると、次はカビの問題が出てきます。
火災保険との関係も確認しておく
雨漏りが風災や雪害によるものであれば、火災保険の対象になることがあります。そして、漏電による家財の損害や、電気設備の被害も、契約内容によっては補償の範囲に入ります。
大事なのは、直す前の写真です。濡れている照明器具、天井のシミ、天井裏の水の跡、屋根側の破損箇所。これらを撮っておかないと、あとから状況を証明できません。ブレーカーを落とすのは先にやっていただいて構いませんが、片付ける前に一枚撮っておいてください。
結局のところ、電気の症状が出ている雨漏りは「様子を見る」対象から外れます。水だけなら数か月待てても、電気が絡むと待てない。ここだけははっきりお伝えしておきたいところです。
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