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番所 健太

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番所 健太

屋根修理・雨漏り修理に携わり10年。現在金沢にある屋根・雨漏り修理業者、ホクリクルーフ代表取締役。雨漏り鑑定士の資格を保有。

公開日: 最終更新日:

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賃貸・アパートで雨漏りしたら?金沢の入居者・大家の責任と修理の進め方

「天井から水が落ちてきたんですけど、これって私が直すんですか、それとも大家さんですか」

金沢市内の築30年ほどの賃貸アパートにお住まいの方から、そんな電話をいただいたことがあります。

 

角部屋の和室、雨の強かった翌朝に天井のクロスがふくらみ、押し入れの上まで湿っていたそうです。

ご本人は「勝手に業者を呼んで、あとで費用でもめたら困る」と、動くに動けず一晩過ごしたとのことでした。

賃貸の雨漏りは、直し方より先に「誰が段取りをするのか」で止まってしまう。ここが持ち家との一番の違いです。

 

まず押さえたい「原則は大家さんの負担」という考え方

結論から言うと、建物そのものから来る雨漏りは、原則として貸主(大家さん・オーナー)が修繕する義務を負います。

 

屋根・外壁・ベランダ防水といった建物の構造部分は、入居者が壊したわけではないからです。

民法でも、貸した物を使える状態に保つのは貸主側、という考え方が基本になっています。

 

ですから入居者の方がまずやるべきは、自分で修理会社を探すことではなく、大家さんか管理会社へ「雨漏りしている」と伝えて記録を残すことです。

ただし例外もあります。入居者が窓を開けっぱなしにして吹き込んだ、ベランダの排水口を落ち葉やゴミで詰まらせて水があふれた、といったケースでは入居者側の管理責任が問われることもあります。

 

私たちが現場で見るのは、実際には「経年劣化が本当の原因で、詰まりはきっかけにすぎない」という混在型がほとんどです。

だからこそ、原因を素人判断で決めつけないほうがいい。

連絡したのに動いてくれない、という相談で私が入った話

先ほどの角部屋の方は、管理会社に連絡はしたものの「様子を見て」と言われたまま二週間、雨のたびにバケツを置く生活が続いていました。

 

困り果てて当社にお電話をくださったのですが、賃貸物件は勝手に上がって工事できません。

そこで私は、入居者の方の同意をいただいたうえで、大家さんに直接ご連絡し、「まず無料の雨漏り診断だけ入れさせてください」とお願いしました。

 

屋根に上がると、原因は角部屋特有のものでした。

二方向が外気にさらされる角は、金沢の冬の横風と雪解け水を受けやすく、外壁と屋根の取り合い部分のシーリングが切れて水が回り込んでいたのです。

 

入居者の使い方は一切関係ない、建物側の劣化でした。診断結果を写真付きで大家さんにお見せしたところ、その場で「うちの負担で直します」と話がまとまりました。正直なところ、賃貸の雨漏りでもめる原因の多くは、責任の押し付け合いではなく「原因が分からないまま時間だけ過ぎる」ことにあります。

第三者が一度屋根を見て事実を出すだけで、話が驚くほど早く進みます。

 

入居者・大家、それぞれの進め方

立場によって、最初の一手が変わります。ここだけは分けて覚えておいてください。

  • 入居者の方:被害箇所をスマホで撮影し、日時と天候をメモ。すぐ大家さん・管理会社へ連絡し、口頭だけでなくメールやLINEなど文字で残す。家財が濡れた場合はご自身の家財保険(借家人賠償ではなく火災保険の家財部分)で補償できることもあります。
  • 大家さん・オーナーの方:連絡を受けたら早めに専門業者へ診断を依頼。原因が建物側か入居者側かを写真で確認し、原状回復か火災保険の申請かを判断。放置して被害が広がると、修理費も入居者とのトラブルも大きくなります。

金沢では特に、山側の湯涌・末町あたりは雪解けが遅く、2月後半から3月に「冬の間ずっと滲んでいた」という賃貸の相談が増えます。

 

海側の金石・大野では塩気を含んだ風で棟板金が早く傷む。

同じ雨漏りでも、地域と季節で原因の当たりが違ってきます。

費用は誰がいくら払うのか

建物起因の雨漏りなら、修理費は原則大家さん負担です。

 

入居者が負担するのは、あくまで自分の家財の買い替えや、自分の過失が明確な部分に限られます。

当社で対応するケースの目安として、賃貸で多い工事はおおよそ次のくらいです。

工事の内容 費用の目安(当社の場合) 主な負担者
室内側の応急処置 数千〜数万円 状況により大家/入居者
取り合い部のコーキング・部分補修 3〜10万円台 大家
棟板金の補修・交換 10〜30万円 大家
ベランダ防水のやり替え 10〜30万円 大家
足場の仮設(必要な場合) 15〜25万円 大家

大家さん側は、こうした工事に火災保険(風災・雪災の補償)が使えることがあります。

 

金沢の冬の被害は風災・雪災に該当しやすく、私たちが申請のための写真や状況資料をお出しすることも可能です。

 

これは大事なところで、保険が下りれば大家さんの実負担は大きく減り、その分「直すか迷う」時間も短くなります。

結局のところ、賃貸の雨漏りは入居者と大家さんのどちらか一方が抱え込むより、原因を早く事実で確定させてから役割を分けるのが一番早道です。

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