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雨漏りした家は売れない?金沢の売却で問われる告知義務と修理の順番
実家を売ることになった、住み替えで今の家を手放す。そういうタイミングで「そういえば雨漏りがある」と気づかれる方は少なくありません。
このとき最初に考えるのは、たいてい「隠していれば分からないのでは」ということだと思います。正直に申し上げると、それは一番損をする選択です。屋根屋の立場で、なぜそうなのかをお話しします。
Q. 雨漏りは買主に伝えないといけないんですか
伝えなければいけません。
不動産の売買では、売主に契約不適合責任があります。二〇二〇年の民法改正で瑕疵担保責任から呼び方が変わりましたが、中身としては「契約の内容に適合しないものを引き渡したら、売主が責任を負う」というものです。雨漏りは、その典型例として扱われます。
実務では、契約前に「告知書」や「物件状況等報告書」という書類を書きます。ここに雨漏りの有無、過去の雨漏りと修理の履歴、シロアリの被害などを記入します。知っていて書かなかった場合、あとから追及されたときに逃げ道がありません。
知らなかったことは責任を問われにくいが、知っていて黙っていたのは通らない。ここが分かれ目です。
Q. 黙っていたら、どうなりますか
引き渡し後に発覚した場合、買主から修補の請求、代金の減額請求、損害賠償の請求、場合によっては契約の解除を求められる可能性があります。
個人間の売買では、契約不適合責任を負う期間を引き渡しから三か月程度に限定する特約を付けるのが一般的です。ただし、売主が知りながら告げなかった事実については、この特約が効きません。つまり、期間の制限で守られなくなります。
現実的な話をすると、雨漏りは隠しきれません。天井のシミは残りますし、屋根に上がれば補修の跡が見えます。買主が住みはじめて最初の大雨で症状が出れば、すぐに分かる。そのとき「聞いていない」となれば、話し合いでは済まなくなります。
Q. 直してから売るのと、そのまま売るのはどちらが得ですか
一概には言えません。ただ、判断の材料は挙げられます。
直してから売る利点は、価格を下げずに済むこと、買主に安心を与えられること、そして「修理済み」と告知できることです。修理の記録と保証書があれば、買主にとっても評価しやすい。
そのまま売る利点は、費用が出ていかないことです。ただ、買主は自分で改修する前提で値を付けてくるので、実際の修理費より大きく値引きされることがあります。買主から見れば、いくらかかるか分からないリスクを負うわけですから、多めに見るのは当然です。
私が現実的だと思うのは、その中間です。直さずに、いくらかかるかだけをはっきりさせて売る。屋根屋に調査してもらい、原因と工事内容と見積金額を書面にする。それを買主に開示すれば、値引き交渉の根拠が「分からないから多めに」ではなく「この金額で直る」になります。
売主としては工事費を出さずに済み、買主としては金額が読める。この形が一番もめにくいと感じています。
Q. 古い家なら、そもそも価値がないのでは
建物の価値と、雨漏りの告知は別の話です。
築四十年の家なら、不動産の査定では建物の価値がほぼ付かず、土地の値段で取引されることが多い。それでも、買主が住むつもりで買うなら雨漏りは問題になります。解体前提で買うなら関係ありませんが、それは契約でどちらの前提かをはっきりさせておく必要があります。
金沢の市街地では、古い家をリノベーションして住みたいという買主も増えました。この場合、屋根と構造の状態が価格を大きく左右します。逆に言えば、屋根がしっかりしている古家は、それ自体が売りになります。
古いから何も言わなくていい、とはならない。ここは押さえておいてください。
Q. 売る前に、屋根の何を確認しておけばいいですか
最低限、この三つです。
ひとつは、現在進行形で雨が入っているかどうか。過去に入って直したものと、今も入っているものでは意味が違います。
ふたつめは、下地まで傷んでいるかどうか。天井裏に入って野地板と垂木の状態を見れば分かります。ここが健全なら、屋根材の補修だけで済む可能性が高い。
三つめは、直すとしたらいくらか。この金額が分かっていれば、値引き交渉でも、直してから売る判断でも、どちらにも使えます。
私たちおうち修理の窓口でも、売却前提の調査のご依頼をお受けしています。工事を請けることが前提ではなく、状態と金額を書面にしてお渡しするだけの形で構いません。
金沢市二口町のお客様で、相続した築38年の家を売る前に見てほしいと言われた現場がありました。二階の天井に古いシミがあり、ご本人は雨漏りだと思われていました。天井裏に入ると、水の跡は乾いていて、原因だった谷板金は十年ほど前に交換された形跡がありました。今は止まっている、過去の雨漏りの跡だったわけです。
その内容を書面にして、告知書には「過去に雨漏りがあり、修理済み。現在は浸水なし」と書いていただきました。調査費は数万円でしたが、これがあったおかげで買主との話がすんなり進んだと、あとで不動産会社の方から聞きました。
結局のところ、売却時の雨漏りは「隠す」でも「言わない」でもなく、「はっきりさせて出す」のが一番もめず、一番損が少ないやり方だと思います。
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売却前の屋根の状態が気になる方へ
売る前に、原因と金額だけをはっきりさせておく。この形の調査を金沢市と近郊でお受けしています。工事のご依頼がなくても構いません。書面と写真でお渡ししますので、告知書や価格の話し合いにそのまま使っていただけます。実際にどんな順序で見ていくかは、雨漏り診断についてにまとめています。