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空き家の雨漏りをどうする?金沢で放置された家に起きること
空き家の雨漏りは、住んでいる家の雨漏りとまったく別の問題だと考えたほうがいいと思います。
住んでいれば、天井のシミにも、床の湿りにも、匂いにも誰かが気づきます。空き家は誰も気づきません。空き家の雨漏りで一番の問題は、水そのものではなく、何年も発見されないことです。
金沢市内でも、相続したまま手を付けられていない家のご相談が年々増えています。年に一度、風を通しに行くだけ、という方も多い。そういう方に向けて、最低限どこを見ておけばいいか、そして直すか手放すかをどう考えるかをお話しします。
誰も住んでいない家は、傷むのが早い
使われていない家が傷むのは、湿気が動かないからです。
人が住んでいれば、窓を開け、風呂を使い、暖房を入れます。空気が動き、温度差ができ、湿気が逃げる場所ができる。空き家は締め切られたままなので、床下や小屋裏に入った湿気が抜けません。
そこへ雨漏りが加わると、乾く要素がひとつもなくなります。金沢のように年間の降水日数が多い土地では、木部が一年中湿ったままになる。木材腐朽菌にとってこれ以上ない条件です。
もうひとつ、暖房が入らないので冬に室内が冷えます。屋根裏に入った湿気が冷たい面で結露し、雨漏りと結露が同時進行することになる。空き家の小屋裏に入ると、雨の跡なのか結露なのか区別がつかない黒ずみ方をしていることがあります。
年に一度、見るならこの順番
本格的な点検でなくて構いません。鍵を開けて入ったときに、この順で回ってください。
まず、家全体の匂いです。玄関を開けた瞬間のカビ臭さが去年より強いなら、どこかで水が増えています。
次に、二階のすべての部屋の天井と壁の上部。押入れの中とその天井も開けてください。押入れは締め切られているので、家の中で最初にカビが出る場所です。
それから、天井点検口があれば懐中電灯で小屋裏を覗く。上まで上がらなくても、光を当てて野地板の裏に黒い筋や垂れた跡がないか見るだけで、ずいぶん分かります。
最後に外へ出て、建物を一周します。見るのは雨樋です。継ぎ目が外れていないか、金具が抜けて垂れていないか、中に草が生えていないか。空き家の樋は落ち葉が溜まり放題になっていて、そこから草が生えていることが本当によくあります。樋が機能していない家は、外壁と基礎に水が回り続けます。
直す・貸す・売る・壊すの判断材料
空き家の相談で、私が工事の話より先に伺うのは「この家をどうしたいですか」です。行き先が決まっていないと、どこまで直すべきかが決まらないからです。
住む予定や貸す予定があるなら、雨漏りは止めるべきです。放置期間が短いほど工事は軽く済みます。屋根の部分補修と樋の交換で三十万円から五十万円、下地まで来ていれば百万円前後、というのがひとつの目安になります。
売る予定があるなら、話が変わります。雨漏りを直してから売るか、現況のまま売るかは、直す費用と価格への反映を比べて決めることになります。屋根の状態が悪い家は、買い手が改修費を見込んで値を下げてきます。ただ、百万円かけて直しても、価格が百万円上がるとは限らない。ここは不動産会社の意見も聞いたほうがいい部分です。
解体する予定があるなら、雨漏りは直す必要がありません。ただし、屋根材や瓦が飛んで近所に迷惑をかけないことと、建物が傾いて危険にならないことは見ておいてください。金沢市には空き家の適正管理に関する条例があり、著しく管理不全な状態が続くと指導の対象になります。
放置した空き家で実際に起きること
私たちが見てきた範囲で、進行の順番はだいたい決まっています。
最初の一、二年は、天井にシミが出る程度です。三年から五年で、その下の畳や床板が湿り、カビが広がります。五年を過ぎると、屋根の下地が痩せてきて、屋根材が波打ちはじめる。ここまで来ると外から見ても分かります。
十年近く放置された家では、小屋裏の垂木が落ちかけていたり、二階の床が抜けていたりします。この段階になると、直すより解体のほうが現実的だという判断になることが多い。
金沢市小坂のお客様で、相続して八年経った家を見に行ったことがあります。屋根は和瓦で、棟の漆喰がすっかり落ちて、棟瓦が二か所ずれていました。そこから入った水で、二階の三部屋の天井が抜けかけていました。
ご本人は「屋根だけ直せば」とお考えでしたが、天井裏の垂木と野地板が広範囲に傷んでいて、屋根を直すなら下地からやり替える必要がありました。見積もりは二百三十万円ほど。結果として、そのお客様は解体して土地として売る道を選ばれました。
正直なところ、八年前に棟の漆喰を直していれば、二十万円かからなかった工事です。空き家は「そのうち考える」が一番高くつく建物だと、この現場で改めて思いました。
遠方に住んでいる場合の現実的なやり方
金沢の実家を、関東や関西から管理されている方も多いと思います。年に一度帰るのがやっとという状況で、屋根まで見るのは難しい。
そういう場合は、点検だけを業者に頼む形があります。私たちも、空き家の屋根点検だけのご依頼をお受けしています。写真を撮って、状態を報告して、急ぐものと待てるものを分けてお伝えする。工事のご依頼をいただかなくても構いません。
大事なのは、記録が残ることです。去年の写真と今年の写真を比べれば、進んでいるかどうかが分かる。進んでいなければ、また一年待てばいい。結局のところ、空き家の管理は「今どうなっているかを知っている」ことが、判断のすべての土台になります。
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空き家の屋根でお困りの方へ
空き家は、今どうなっているかを知っているかどうかで判断が変わります。金沢市と近郊で、点検と写真の報告だけのご依頼もお受けしています。工事のご依頼が前提ではありませんので、遠方からでもお声がけください。詳しい進め方は当社の雨漏り診断のページにまとめてありますので、あわせてご覧ください。