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番所 健太

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番所 健太

屋根修理・雨漏り修理に携わり10年。現在金沢にある屋根・雨漏り修理業者、ホクリクルーフ代表取締役。雨漏り鑑定士の資格を保有。

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風向きで雨漏りする家がある|金沢の冬型・春一番と横殴りの雨

「雨の日は必ず漏るんですか」と伺うと、「いや、漏らない日もある」と返ってくることがあります。

このとき、次に聞くのは風のことです。雨量ではなく風向きで症状が決まる雨漏りは、金沢にかなりの数あります。そして、風向きが分かれば原因の面が絞れるので、調査の効率がまったく変わります。

なぜ風向きで漏れる日と漏れない日があるのか

垂直に降る雨は、屋根が受け止めます。屋根は上から来る水を流すように作られているので、これは想定内です。

風が加わると、雨は斜めに、ときには水平に近い角度で飛んできます。すると、水は屋根ではなく壁に当たる。壁は上から流れる水は想定していても、横から叩きつけられる水は想定の外です。

さらに、壁に当たった水は下に流れるだけではありません。風圧で上向きにも押されます。横殴りの雨は、水切りの裏、板金の下端、サッシの隙間といった「下を向いている面」にまで水を届かせる。ここが、普通の雨では濡れない場所です。

だから、南からの雨では何ともないのに西風の日だけ漏る、という現象が起きます。西面のどこかに、横から来る水に弱い場所があるわけです。

金沢の風には、季節ごとの型がある

金沢の風向きは、季節でだいたい決まっています。ここを知っておくと、症状の出る時期から面を推測できます。

冬型|北西の風

十二月から二月、日本海側特有の冬型の気圧配置になると、北西から強い風が吹きます。海から陸へ、真横に近い角度で雪や霙が飛んでくる。

このとき濡れるのは、北面と西面です。金沢の住宅で、北西面のサッシまわりや換気フードの劣化が早いのは、この季節風を毎年何十日も受けているからです。海側の金石、大野、畝田あたりでは、これに塩分が加わります。

冬に症状が出る雨漏りは、まず北西面を疑ってください。

春一番と、春先の南風

二月後半から三月にかけて、南寄りの強い風が吹く日があります。春一番です。気温が上がり、湿った空気が流れ込むので、雨量もそれなりにある。

このときは南面が濡れます。冬のあいだ何ともなかった家が、春先に急に漏り出したなら、南側の開口部やベランダまわりが怪しい。

台風と、秋の南東風

金沢は台風の直撃が比較的少ない土地ですが、日本海に抜けるコースを取ると、南東から強い風が吹き込みます。夏から秋にかけての一過性の風です。

年に数回しか出ない雨漏りで、それが夏の終わりから秋口に集中しているなら、南東面を見ます。

記録の取り方で、調査の精度が変わる

この手の雨漏りで、お客様にお願いしたいことがあります。漏れた日の記録です。

必要なのは三つだけ。日付、そのときの風向き、濡れた場所の写真。風向きは天気アプリの過去データで後から調べられますので、日付さえ控えておけば大丈夫です。

これを三回分ほど集めていただくと、共通点が見えます。三回とも西風だったなら、西面で確定に近い。バラバラなら、風向きに関係のない原因、つまり屋根の上から素直に入っているということになります。

散水試験のときも、この情報が効きます。風向きが分かっていれば、水を上からかけるのではなく、その方角から斜めにかける。ホースの角度を変えるだけで再現することがあります。逆に、情報がないと真上から水をかけて「再現しませんでした」で終わってしまう。

私たちが再調査で入って原因を見つけられるケースの何割かは、この風向きの情報をいただけたからです。

風向きが原因を教えてくれた例

金沢市大野町のお客様で、二階の寝室の壁が濡れるというご相談を受けたことがあります。築22年、海から一キロほどのお宅です。

伺ったときは晴れていて、屋根にも外壁にも目立った異常がありませんでした。ただ、お客様が「濡れるのは決まって冬の、風の強い日」とおっしゃった。それも、ここ二年ほどで急に出はじめたと。

北西面を重点的に見ると、二階の壁に取り付いた換気フードの上端のシーリングが切れていて、そのすぐ横のサイディングの目地も痩せていました。海に近いぶん、他の面より明らかに劣化が進んでいました。

北西方向から斜めに散水したところ、二十分ほどで室内側のクロスが湿ってきました。真上からかけたときには何も起きませんでした。角度が全部だったわけです。

処置は、北西面の貫通部とサイディング目地の全面打ち替え、それとサッシまわりの水切りの補修。足場を組んで二十八万円ほどでした。同じ面のほかの目地も同時に処理したので、しばらくは持つと思います。

正直なところ、風向きの話を聞かなければ、この現場は一日では終わっていませんでした。結局のところ、雨漏りの調査で一番役に立つ情報は、住んでいる方の観察です。何気ない「風の強い日だけ」の一言が、原因への近道になります。

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雨の日によって症状が変わる方へ

「風の強い日だけ」という一言が、原因への一番の近道になります。金沢市と近郊で、風向きに合わせた角度からの散水試験を行っています。濡れた日の日付を三回分ほど控えておいていただけると助かります。実際にどんな順序で見ていくかは、雨漏り診断についてにまとめています。

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